MASA細胞

代謝から生まれた記事

おじいちゃん

そろそろ、おじいちゃんという実態の情報開示に踏み切りたい。

NASAが存在を濁すUFO(未確認飛行物体)とは違い、

この実態を持った、存在がおよそ確実な(もしくは確実であった)生体について

身近に観察した調査をもとに報告しよう。(もちろん個別事象をそのまま一般化することは危険を伴う)

おじいちゃんは、田舎から移住してきた。

手術で胃の大部分を摘出しているらしい。

糖尿のけがあるらしい。(ダンピング症状か)

だいぶ耳が遠い。

肺炎で入院したらしい。

術後せん妄が出たらしい。(看護師さんを困らせたそうだ)

昔は大工だったらしい。

家族と少し距離があるようだ。(彼の腹の虫の居所による)

腰が曲がっている。

笑顔が意外とかわいい。

 

高齢化というお題でよく召喚される。

介護サービスには満足しているようだ。

戦争を経験したらしい。

 

実は、今の時代の礎を築いてきた人々らしい。

実は、自分の起原でもあるらしい

 

戦国武将のように、

高度経済成長期のように、

教科書には出ないけれど、

 

あなたのそばにもいるかもしれない

それがおじいちゃんらしい。

 

理解の定義

f:id:masasaibou:20170521135948j:plainがんには多面性がある。

医学的には、異常細胞

意に反し、複製と増殖を繰り返す

非コントロール下の悪性腫瘍

治療の対象

大きさ、リンパ節転移の有無、他臓器への転移の有無(TNM分類)

予後の判断(staging)、、、

素晴らしくsystematicに、驚くほどcoolに評価し治療する。

まるでテストの採点をして、合否を判定するように。

 

切り口を変えてみる。

社会的にはどうか。

がんから無事生還した人。

今この時も必死に戦い、勇気を与えてくれる人。

残念ながら亡くなってしまったが、いつまでも大切な人。

心に働きかける何か。

 

私たちは、ある一面を捉えて、理解したような気に陥ることが多い。

しかし同時に、切ることなしに理解はできない。(ゆで卵の黄身の形のよう)

大切なのは、素材に適した切り方が目的に応じてある事だと思う。

私達が学ぶべきは、素材の特性、用いる包丁の選定。

そして、包丁を研ぎ続けること。

解釈を加えるとは、素材を切り、味付けして、

食卓に並べること。食すこと。

アスパラガスのベーコン巻きを通して、アスパラガスの一面にハッとすること。(全く切る必要がないが)

 

生きる営みとしての食事。情報の処理と理解。

その近接点を見た気がした。

 

 

泣けてくる

【意味】

流涙(りゅうるい)。突発的で意に反し、制御不能なことが多い。

【用例】

やばい、ワサビ効きすぎた。泣けてくる

火垂るの墓って、いつ観ても泣けてくるよね。

【解説】

涙の適用範囲は広い。喜怒哀楽を表現する為には、必須のツールといっても過言ではない。

その中でも、意に反した涙、制御不能な涙に対し、これは用いられるようだ。(もちろん、用例1のように生理的現象にも用いる)

忠告を聞かない、鋭利な言葉を投げつける筆者に対し、母は稀にこの現象を示した。

普段涙をみせない人であったが(感動の涙はよく流した)、内なる感情にたかが外れ、文字通り、泣けてきたに違いない。

当時を思い出し、筆者も自然と泣けてくる。

言葉は先天的に身につくものでは無く、獲得するものであり、発見するものだ。

どこかの誰かが発見したこの言葉。

その言葉によって解釈できる現象が、また1つ広がり、

世界が数ピクセル解像度を増す。

世界に輝きを、言葉に愛を。

 

 

ヒゲが濃い

症例

25歳 男性

【主訴】ヒゲが濃い

【身体所見】ヒゲが濃い

【診断】

世の中には、診断が付かない(病的とは言えない)訴えが星の数ほどあると思う。

なんせヒゲが濃い。

男性ホルモンの主張が激しいのか。

口まわりの寒さ対策か。

そもそも何の為に、あなたは存在しているのですか。

立派なヒゲは威厳があるかも。(カーネル・サンダースのような)

職場でヒゲは無いよなetc、、、

ファッション的意味、社会的意味、生物学的意味、

意味、意味、意味、、、

私達が恐れて止まないもの。

それは無意味。

唇を重ねる時、それは邪魔でしかなかろう。

ご飯を食す時、そねは誤って口に入らんか。

無意味。

それでも私は、飽くなき意味を見出す、人間の営為に祝杯を上げたい。

このスポンジの様な頭に、世界をスッポリ内包させようとする営為に。

今日も鏡に向かい、私はヒゲを剃る。

エントロピー増大

本日は学校がお休みで、朝から洗濯物を回しております。

本棚に入りきってない本。整理しないと。掃除機もかけないとetc、、、

私にとって、最も身近で恐ろしい法則。エントロピー増大の法則。

そう、『部屋は散らかった状態に進行する』というあれ。(違うか、、)

恐ろしく汎用性の高いこの法則は、逃れることの出来ない

人類の永遠の課題と言えよう。(言い過ぎ、、)

秩序を取り戻そう、栄光を我が手に!

そして今日も『掃除』という残業に着手する。

生きるとはどういうことか。(急にどうした、、)

体の分子に秩序を与え、発散から逃れること。

エネルギーを用い、秩序を保持すること。

これを代謝と名付けよう。

私は細胞単位で発散に抗い、身体を保持している。

そう、お掃除しているのです。

ミクロからマクロへ。マクロからミクロへ。

シャーレの中の細胞。この皮膚を構成している細胞。

今日もありがとう、そして共に生きよう。

トントン

神経内科

最高にsystematicな科です。

体の異変。それをどのように臨床的に翻訳するか?

これが私が2週間の実習で学んだ全てでした。

先人の偉大な先生方が発見した徴候の数々。

それらは、器質的病変を何とか我々が理解できる形に翻訳した巧妙な策でした。

頭をかち割って生で診れないので。(MRIで疑似的に診れるようになりましたが、、)

道具はトンカチ。

トントンします。

道具で身体に介入し、反応を誘発させます。

そして所見を収集。一つずつ丁寧に。

頭から足先まで。無機質に。機械的に。

そして系統だって、、、

最高にクールです。

今でも余裕で現役の手技でございます。

 

画像所見、血液学的所見、生理学的所見etc、、、

身体を解釈する語法は、多様化し、先鋭化し、

ますます身体へ肉薄してきていますが、

トンカチ一本で身体の理解に迫るこの手技は、

今後とも医学の中で必須の言語足りうるでしょう。

 

最後に1つ。

神経学的所見を取るとき、簡単にですが、凄く些細にですが、手で触れます。

患者さんの身体を通して、恐らくは心にも少し。

神経内科の回診で、何故か感謝されることが多いと感じたのも頷けました。(たまたまかもしれませんが、、)

来週からは精神科です。乞うご期待!